RPAが「仮想知的労働者」と呼ばれる理由

最近、多くのメディアで「人工知能の出現で、ホワイトカラーの業務がとって代わられる」といった話が聞かれるようになっていますが、人工知能は、「人の仕事を奪う」のではなく、「人に代わって仕事をしてくれる」という発想が正解なのです。

欧米など先進的な取り組みをしている企業においては、すでにこのRPAを積極導入することで、人が人海戦術で行ってきた業務の多くの部分を肩代わりし、コスト削減と生産性の向上に結びつける例が増えています。

こうしたRPAは「仮想知的労働者」とも呼ばれるようになっていますが、今回はそう呼ばれる理由について考えてみることにします。

■仮想知的労働者とは

「仮想知的労働者」という言葉は、なんだか難しそうな印象を持たれがちですが、英語では「Digital Labor」という名称が一般的であり、人間の労働者を補完する仕組みであることからこう呼ばれています。

仮想知的労働者は、人の仕事を奪うと誤解される部分もありますが、実際には単純かつ膨大で、間違えられない定型化作業を人に代わって行ってくれることを意味します。

結果、人はより付加価値の高い業務にまい進することを可能にしてくれるということを理解すれば、非常にわかりやすくなりますし、単純に「仕事を奪う恐ろしい存在」という誤解がなくなります。

これまでホワイトカラーの単純労働に関しては、労働力が豊富でコストの安いオフショアやシェアードサービスを利用することで解決していた企業がほとんどでした。

半面、自社内でロボットを活用することで、生産性とコスト削減を取り戻すという発想をすることが、仮想知的労働者であるRPAの導入につながるのです。

■RPAは人間以上に正確に定型業務をこなしてくれる存在

製造業などでは、本来「人」が時間をかけて製造する生産工程の多くをロボットが肩代わりすることで、その生産性を飛躍的に向上させることに成功してきました。

事務部門の業務の世界では、コンピュータをいち早く導入することには多くの企業が率先して投資を行ってきました。

ただ、それを使ってインプットをするといった定型化された業務は相変わらず人がやらなくてはなりませんでした。

同じ作業を繰り返し、しかも一定の時間内に終えることが求められてきたことから、残業も多く、なかなか労働生産性を高めることができない領域にもなってきたのです。

これを解決してくれる存在となってきたのがRPAで、人間が行っている業務プロセスをそっくりそのままの形で代行してくれることがこのRPAの大きな特徴です。

多くのホワイトカラーの業務はあらかじめ決められたプロセスをこなすことが多く、実は高度な判断を伴う業務はごく一部になっているのです。

したがって、こうした単純作業に近い定型業務は、事務部門でもRPAのような仮想知的労働者を導入することにより、人が行う業務を大きく軽減しようとする動きが顕在化しつつあるのです。

ロボットの導入による効率アップは、ホワイトカラーの世界でもいよいよ始まっています。

■仮想知的労働者は人の仕事を代行してくれる存在

仮想知的労働者といわれるRPAには、いくつかの特徴が存在します。

まず一般の労働者のように雇用を確保することが難しい、もしくは、退職するということがまったくないことがあげられます。

また人の場合、残業や休日勤務など労働条件で深刻な問題が発生しがちですが、RPAなら24時間、週7日働いてもまったく文句をいわないわけですから、人を雇用することにより生じる労働問題を大きく解消してくれるソリューションとなるのです。

RPAの導入により人は、単純作業から解放され、さらに高度な判断に時間をかける仕事に従事することができるようになるというわけです。

つまりRPAは、「企業における働き方改革の大きな担い手」としても機能してくれるのです。

このようにRPAは、あくまで人の仕事を補完し人と共存する仕組みになりますから、単純に人の仕事を奪うという存在ではないということを理解しましょう。

■RPAはさらに進化の過程にある

足元でのRPAの導入はまだ始まったばかりです。

今後AIなどの知的認知技術を導入することができれば業務の効率化や自動化はさらに進み、より利用価値の高いものへと進化することが考えられます。

RPAには、現状で3つの段階が想定されています。

第1段階では、指示通り動くことで低コストでの自動化を実現しているため、人の業務にとって代わることができるようになっています。

第2段階では、指示を踏まえて自ら考えて動くことができるようになり、その利用価値はさらに高まることが予想されています。

さらに第3段階では、データを踏まえて市場を予測することも可能になり、指示を受けなくても働ける領域になってくるのです。こうなるとまさに仮想知的労働者としての地位を確立することになります。

RPAの導入は、人が働く上での業務内容を高度化するため、バックオフィスで働く人材に必要なスキルセットが大きく変わることになり、全社的に人材の再配置など戦略的経営に乗り出す大きなきっかけを与えてくれることになるのです。

RPAの能力は今後経験値によりさらに向上していくことになるため、早期に導入した企業が大きなメリットを享受することになり、積極的に導入することが成長戦略としても求められているのです。

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