RPA導入により事業拡大に直結する業務にコストをかけることが可能

認知技術を活用した仮想知的労働者(Digital Labor)の登場は、経済史100年のイノベーションでも、かなり画期的なものの部類に入ります。

それを実現してくれるのが “RPA” と呼ばれるものです。

RPAにより、これまでほとんど実現できなかったホワイトカラー領域の業務改革が格段に進むことになります。

特に、人の経験や判断に依存しなければ解決できなかったような単純作業の自動化が実現することにより、企業における従業員の働き方は大きく変わることになります。

結果、企業内での事業への人的配分についてもダイナミックな変更余地がでることが予想されています。

特に企業内では、戦略的に特定事業の拡大に直結するような業務に集中的に人的投入を行うことができるようになることから、企業戦略上もRPAの導入が大きな戦略になってきているのです。

■日常の定形作業の人件費削減が大幅に実現

バックオフィスにおけるホワイトカラーの人件費というものは、なかなか抑えることのできない項目のひとつとされてきました。

日常的な業務の中で、一定時間内に処理をしきれなければ事業が前に進まない項目については、とにかくヘッドカウントを増やしてでも乗り切らなくてはならないものがほとんどでした。

人件費を削減することなどは全く覚束ない状況で、限られた人員での対応は残業問題にも深刻な影をさす事象となってきています。

しかし、RPAがこうした人による定形作業を肩代わりすることができれば、日常的な定形作業に従事する従業員の人件費を大幅に削減することができ、しかもこうした労働力を他の部門で活用することもできる新たな配置戦略をとっていくことが可能になるのです。

■バックオフィスのほとんどの定形作業に対応可能

ある調査機関の調べでは、ホワイトカラーの実に8割以上のバックオフィス業務がRPAで代行できるようになるという数字が出ています。

つまり、どのような業態の企業であっても、かなりの人件費削減が実現できるようになるのは間違いないようです。

国内では、欧米に比べてBPOなどのアウトソーシングを利用する企業が限られており、バックオフィスの業務効率アップの方策は、思いのほか限られた状況が続いてきました。

しかし、RPAを積極導入することができるようになればその生産性、効率性は飛躍的に向上し、それだけとっても企業の事業効率を著しく高めるものとなってくれることが強く期待できます。

今後、バックオフィスに残って働く従業員に求められるスキルも大きく変わることが予想されます。

これまでの経験と判断に支えられた業務というものは、大きく見直されることになるのです。

■手の空いた従業員の配置換えによる事業拡大への人員投入が可能

RPAの導入は、単にホワイトカラーの労働生産性を向上させるだけではなく、企業内における人員の配置を大きく変えるきっかけにもなることが期待されています。

これまで、ルーティン化された業務のために多くの人を貼り付けなくてはならなかった業務から、従業員が解放されることにより、もっと知的生産性が高く、付加価値のある業務に多くの従業員を投入することができるようなります。

「選択と集中」という事業戦略は、多くの企業で長年口にされてきたものですが、人員配置の面ではなかなかこれに見合う形で従業員のコア事業への集中投下が行われてこなかったのもまた事実です。

RPA導入による飛躍的なホワイトカラーの労働生産性向上と、人力による業務の減少は事業拡大に直結した業務に、より多くのコストをかけることができるようになり、これまでには全くなかった大きなベネフィットを企業にもたらしてくれることになるのです。

■事業の人事戦略を大幅に見直す機会となるRPAの導入

このような企業内における労働生産性の向上と省力化の波は、事業拡大にむけて確実にコアな業務に従業員を配置しなおすことができる絶好の機会となります。

ただ、もう一方で考えなくてはならないのが、既存の従業員の個別能力と期待すべき業務に必要な能力とのフィット&ギャップの問題です。

RPAの導入で余剰となった人材は、そのまま他の部門で働くことにマッチした知見を持っているとは限らないことから、今後は企業内での能力開発に加えて新規に雇用する人材の期待能力領域といったものにも大きな変化が現れることが予想されます。

まさに、人事戦略そのものを見直すことも求められるようになり、マネジメント層自ら付加価値の高いビジネスを行うことが求められるようになるのです。

既存の従業員にも、本質的な働き方改革の機会が到来することになります。

これまでITの実装によるビジネスプロセスの効率化は、一定の労働生産性の向上に寄与してきましたが、RPAはロボティクスソフトウエアが、人に代わりデジタルレイバーとして業務をこなしてくれるようになるわけですから、効率化の達成レベルは飛躍的に向上することになります。

余剰労働力となり、コアな業務に時間を使えるようになった従業員は、残業のリスクも大幅に低減し、これまでと大きく働き方が変わります。

なにより、企業内で期待される成果目標も激変することになります。

企業は、組織の作り方や人員配置について、より戦略的な実施を求められることになるということを、十分に意識してRPAを導入することが求められます。

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