日本でのAIスピーカー・音声インターフェイスの将来性

2014年にネット通販サイトの「アマゾン・ドット・コム」から発売された、AIスピーカー「エコー」は、2年間で1000万台以上の売上を記録しました。

そして遅れること3年、ついに日本でもAIスピーカーが発売されます。

そこで今回は、RPAやAIの実用化とともに普及する音声インターフェイスの、日本での将来性や、今後の課題についてご紹介していきます。

■音声インターフェイスで入力する時代の到来

AIスピーカーの誕生は、世界に大きな衝撃をもたらしました。

それまでは、コンピュータの入力にキーボードなどのデバイスを通じた操作が必要不可欠だったからです。

音声インターフェイスによる入力は、我々を速度や耐久時間の限界から解放することとなります。

2014年、初の音声インターフェイスでの入力機能を売りにした「エコー」がアマゾン・ドット・コムより発売されました。

「エコー」には、人工知能(AI)のアレクサが搭載されており、人間の言葉を認識することができます。

そんな、アマゾンでの商品購入を声1つで完了できるエコーは、米国で大ヒットを記録し、2年間で1000万台以上売り上げました。

AIスピーカーの魅力の1つとして挙げられるのは、やはり「操作という行動の束縛がなくなったこと」でしょう。

何らかのデバイスに触れ、視認しなければインターネット上でのアクションを起こせなかった我々は、AIスピーカーを通じて様々なアクションを「声のみ」で起こせるようになりました。

これにより、ネット上での消費行動は各段に効率化され、更なる消費を促すと考えられます。

また、2016年に発売された「Google Home」では、AIスピーカーの置いてある空間内の他デバイスとも連携させることができます。

たとえば、照明の明暗やテレビでの動画再生など、あらゆることをAIスピーカーが声1つで実行してくれるのです。

更に、AIスピーカーは「天気」「交通情報」などの情報伝達や、「スケジュール」などの個人情報の確認を行うこともできます。

声の識別を用いて、家族で1台のAIスピーカーを共有しながら個人での使い分けをすることも可能なのです。

AIスピーカーの普及は、我々の業務効率化を加速させ、日常生活でのIoTの慣習化に拍車をかけることでしょう。

■日本におけるAIスピーカー・音声インターフェイス


日本でAIスピーカーや音声インターフェイスを普及させるためには、AIの技術開発が不可欠です。

日本語は、他国の言語と比較して3点の特徴が挙げられます。

「結論が語末に来る文法」と「同音異義語の多さ」、そして「文字種の多様性」です。

音声インターフェイスによる操作を行うには、AIが正確な情報をくみ取る必要性があり、更に答えとなる操作をAIが日本語に変換するプロセスが生じます。

この双方を日本語で実現するには、まだ課題が多いのです。

単純な命令や質問をAIスピーカーに投げかけるフェーズは、既製品でも問題なくクリアできます。

しかし、日本全国への普及という点では、更なるAIの開発が必要となるでしょう。

AIの国内技術開発においては、コミュニケーションアプリの覇権を勝ち取ったLINE株式会社や、大手複合企業SONYが乗り出しています。

しかし、米国と比較すると圧倒的な資金とリソースの不足が目立ち、AIの開発には大きな遅れをとっています。

大手ネット通販アマゾンや、検索ブラウザ他ネットサービスを包括するGoogleなどの大手企業に対して、日本企業が「AI開発」という分野で存在感を示すためには、「日本語」や国内の独自性に焦点を当てた開発が、可能性を広げるのではないでしょうか。

■日本におけるAIスピーカー普及の課題

開発だけでなく、利用者の視点で見ても、日本におけるAIスピーカー・音声インターフェイスの普及には課題があります。

日本人は欧米諸国の国民に比べ、声で指示を出すことに「恥」があります。

KDDIの調査では、「周囲に人がいても音声認識で指示したい」と答えた日本人は、全体のわずか25.2%にとどまりました。

そのため、効率性を重視すると音声インターフェイスは正しい選択肢ですが、一般家庭における効率性に対しての優先順位は低いのです。

また、AIスピーカーを利用する周囲の環境について比較してみると、米国の住まいは日本の住まいと比べて平米数があり、家電の操作性による効率化のメリットが大きく見られます。

日本でも、地方では戸建てが多く存在しますが、AIスピーカー等の先進技術をいち早く取り入れる東京では、狭い住宅が全体を占めるため、その必要性が薄いのです。

■日本でのAIスピーカーの将来

AIスピーカーはRPAや人工知能そのものと同様、シンギュラリティを加速させるデバイスとして大きな注目を集めています。

米国を中心とした商品開発と運用システムが普及する一方、日本での普及にはまだ課題が多く残っているのです。

そのため、米国とは違った利用方法の訴求や、日本語に対するアプローチなど、国内でのAIスピーカーの普及を模索する新たな施策が今後の鍵を握るでしょう。

「働き方改革」が叫ばれる日本において、音声インターフェイスが活躍するのは、家庭ではなく職場なのかもしれません。

大規模なAIによるシステム改善が話題にのぼりますが、労働者ひとりひとりの作業効率化にAIスピーカーが役立つ可能性があります。

AIスピーカーや音声インターフェイスがもたらす効率性が、日本の国民性や課題に寄り添う形で普及することを願います。

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