増加するAIサービスとRPAでの活用

AI(人工知能)を用いたサービスは、急速に各分野へ広がっています。

AIサービスの拡大に寄与した初期のAIは、独自のラーニングによってビッグデータを分析し、意思決定をサポートすることに長けたIT系のサービスが多く見受けられました。

また、近年ではRPAに活用されるAIが顕著になっています。

そこで今回は、RPAにAIが活用される事例と傾向についてご紹介します。

■AIサービスの多様化

AI(人工知能)の特徴は、計算やマニュアル通りの実行を超えた「推論」と「学習」です。

例えば、多くのユーザーが使うサービスがあったとしましょう。

そのサービスを利用したユーザーの履歴を、事細かにデータとして記録します。

このデータについて、もしも人間が分析し、戦略を練る為の糧とするならば、どんなシステムの支援を受けても限界があります。

この限界を突破できるのが、AIなのです。

AIの力を活用したサービスは、瞬く間に広がりました。

例えば、民泊推進サービスの「Airbnb」では、ユーザーとホストのマッチング率を高めるための施策構築をAIに任せています。

宿泊する地域やニーズ、宿泊を決定する値段などの記録をAIが学習し、より多くのユーザーに宿泊してもらうための改善点をホストに伝えます。

このAIを用いることで、ユーザーはより満足いく宿泊体験を得られますし、ホストも高確率で家を貸し出すことができるわけです。

また、性格診断サイトでもAIを活用したものが話題を呼びました。

「Personality Insights」では、Twitterのテキストというビッグデータから、ユーザーの傾向を自動学習し、分析結果を更新し続けています。

ユーザーは、自身のTwitterを連携するだけで、性格診断を受けることができるのです。

さらに、データの分野を横断した変換にも、AIの活用ケースが増えています。

「Tegaki.ai」は、手書きのデータをテキストデータに変換するサービスです。

多くの文字情報をデータとして記録し分析することで、その精度を高めています。

「Amper Music」は、音声データの記録を生かし、自動で音楽を生成することを可能にしたサービスです。

このように、AIサービスは垣根を超え、データの記録と学習、推論が生み出すサービスの種類は多様化しています。

■RPAに活用されるAI

多様化したAIの実用例は、RPAにも及びます。

RPAは、ロボットによる業務の自動化を可能にしますが、基本的に人工知能は搭載されていません。

マニュアルや指示系統を与えることで、人間らしく働くことができますが、その労働から得たデータをもとに学習することはありません。

このRPAにAIを活用することによって、学習と推論というプロセスをRPAに与えることができます。

IBMでは、問い合わせメールの対応に、AIとRPAを連携したシステムが利用されています。

問い合わせメールの内容をAIが学習し、その内容から適切な回答パターンを推論します。

この推論に基づいて、RPAが可能な限りのメール対応を自動業務として遂行し、人が直接対応すべき案件のみを適切な担当者に繋ぐのです。

この問い合わせ対応が充実することで、社内における人間の対応時間を削減するとともに、ユーザーのトラブルが解決するまでにかかる日数が減りました。

結果として、ユーザーの満足度を向上するとともに、労働者の労働時間を減らすことにも成功しています。

また、OCR(光学的文字認識)技術を用いた紙の書類のデータ化にも、RPAとAIが連携される事例があります。

日立では、請求書などの証票の承認プロセスにAIを搭載したRPAを導入し、照合承認作業の7割を自動化することに成功しました。

デジタル化が進む現代社会においても、「重要な事項は紙で」という習慣は未だ根強く残っています。

しかし、それらのデータを自動処理することによって人が確認し、内容のミスがないかどうかを判断する時間と手間を、大幅に削減することに成功しています。

■AI搭載RPAの普及がもたらす変化

AIが活用されたRPAが普及することで、自動業務化できる工数の幅は増えます。

言い方を変えれば、「人間にしかできない」業務は極めて少なくなるということです。

先に紹介したパターンも、人同士がコミュニケーションを交わすメールの対応、過ちがあってはならない請求書の承認など、今まで人間が行わざるを得ないと考えられていたものです。

AIは、目標が明確であれば、それに必要な情報を学習していきます。

RPAは、答えがあればその答えに対して完全な任務遂行を果たすのです。

この2つが合わさることによって、生産業の多くのプロセスは、AIとRPAで完結させることができるでしょう。

もちろん、実用化までの研究・開発の期間や、試験運用のコストはかかります。

ですが、その壁を越えることで生まれるサービスは、人間が行うサービスと比較した場合、セキュリティもパフォーマンスも凌駕すると言われています。

事実、実用を開始した先端企業のサービスは、多くのユーザーに高い満足を与えているのです。

このようなAI搭載のRPAを自社に導入するためには、まずどのプロセスに対して業務自動化を組み入れるかを判断する人間が必要です。

AIやRPAの持つ素質を上手く利用し、開発を進められる企業こそが、今後のサービスや生産で生き残っていく時代となるでしょう。

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