IT企業の予算投資意欲が高いIoT・RPA分野の注目度

2017年度、国内IT企業の新規投資比率が、2年ぶりにわずかな増加を見せました。

これは、2009年のリーマンショック以降、ゆるやかな下降線を描いてきたITに対する投資価値が、IoT・RPA(ロボットによる業務自動化)分野の台頭によって再び高まることの前兆と考えられます。

今回は、IT企業が予算投資という形で見せるIoT・RPA分野への注目度と、今後の展開について見ていきましょう。

■IT分野の新規投資比率の向上

IoTやRPAの技術開発が進み、シンギュラリティの到来が目前に迫っています。

IoT、AI、RPAの開発や普及で先進諸国に遅れをとっている日本では、各企業が早急な新規システム構築を模索しているようです。

IT分野に対する投資予算のうち、約33%が大規模なシステム改革に用いられます。

特に、投資意欲を各分野で比較したデータでは、IoTに対する関心が圧倒的に強いのです。

財務省のデータによると、IoT導入によるコスト削減率は、IoTに対する開発・設備投資の額を上回るという結果が出ました。

日本の規模は、米国、ドイツ、中国などと比較すると非常に小さい規模ではありますが、IoTに対する先行投資の価値が証明されたのです。

したがって、シンギュラリティの目安と言われる2030年を待たずに、IT企業を始めとする多くの企業で、IoTやRPAを用いた業務システムの大規模な改善が推し進められると考えられます。

その改善に必要不可欠となる人工知能や、IoT・RPAのプログラムに対する注目度も、ますます高まっていくでしょう。

■IoT・RPAへの注目度の高さは国内における必然性の高さ

IoT・RPAに対する投資意欲と注目度の高さは、必然性の高さに比例します。

昨今の日本における人手不足問題は深刻です。

2017年4月の有効求人倍率は1.48倍を記録し、バブル期の最高値を上回りました。

現在は景気回復の指標として受け取られる数値も、将来性という点で絶望的です。

少子高齢化の影響は、企業の事業そのものに深い打撃を与えていきます。

そんな人手不足問題の解決方法としては、2つ挙げられます。

1つ目は、現在の環境では就労できない人が労働力になれる環境を整備すること。

2つ目は、人手が少なくても成立するシステムを構築することです。

前者は、国そのもののシステム改善が必要であり、時間も要します。

そのため、企業レベルで早急に取り掛かれるのは、後者です。

その課題に気付いているIT企業が、IoTやRPAに注目し、投資意欲を強く持つのは、必然的なことでしょう。

■RPAの導入によって信頼性を獲得する時代

RPAは、労働者の労働時間の削減だけではなく、ミスの軽減という効果もあります。

大手銀行や保険会社で導入されつつあるRPAは、「パフォーマンスの向上」という点で顧客への信頼性を高める結果を生み出してきているのです。

また、通販会社のコールセンターにRPAを導入した事例では、顧客の疑問の解決時間が大幅に減りました。

その結果、待ち時間も削減され、顧客のストレス度が改善されています。

つまり、クレームが減ることで、企業への満足度も高まったということです。

RPAが業務に適合するまでの期間の消費と、開発への投資は避けられないものの、運用し始めれば顧客への信頼が高まることが期待されます。

また、RPAを導入していることへの社会の注目度も高いのです。

2017年、RPAやAIをテーマとしたセミナーイベントが頻繁に開催されています。

特に、RPAは現在最も注目されているキーワードです。

現在は、業務フローの見直しを迫られた企業が、RPAの実用性や投資価値などについて模索する期間です。

運用期間でのブラッシュアップが効率化に繋がるRPAの性質上、決断を引き延ばすことは、競合他社に遅れをとることにも繋がりかねません。

■IoT・RPAへの注目と課題

IoT・RPAへの投資意欲の向上と注目は、国内における人手不足問題の解決方法としては、必然的な結果です。

より良い職場と業務フローの改善を目指すのであれば、今後、IoT・RPAに対する理解を避けて通ることはできないでしょう。

一方、投資の先にある、実際の運用については課題を呈したいです。

IoT・RPAの導入事例は、主に欧米諸国のスタイルをとっています。

トップダウンが主流の大規模改革が可能な欧米企業のスタイルを模したところで、国内企業の社内環境には適さないケースが多いでしょう。

必要なのは、各企業がIoTとRPAに対する知識と必要性を得た上で、自社に適合する形でそれらの技術を取り入れていくことです。

潮流や焦りにのまれて先端技術を取り入れても、抜本的な改革には繋がりません。

コンサルティングや事業開発も、未知の段階となる分野であるからこそ、関わる企業そのものの自立した思考力が試されるのではないでしょうか。

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