RPA時代は人間が本来発揮すべき価値を考え直すきっかけとなる

RPAを国内で本格導入する時代がやってくると、企業のオペレーションプロセス上でそれなりに活躍し評価されてきた人にも、大きな変化が訪れることになります。

それは、決して仕事から排除されるという意味ではありません。

これまでとは違った領域で、人にしかできないものを創造することが求められることになるでしょう。

今回はRPA導入により、人間が本来発揮すべきだった価値について考えていきましょう。

■RPAの導入によって仕事の内容が大きく変わる

RPAが市場に普及するようになると、仕事を奪われるホワイトカラーが続出するのではないかと導入前から心配する意見も多く見られます。

しかし、あくまでRPAは、人のためのツールであって人を乗り越えていく脅威の装置でないことだけは、確かです。

実際問題として、将棋や囲碁の棋士がAIと対戦して負けるというまさかの事態が起き始めていることは間違いありません。

これは極端な例と言え、実際の作業レベルではロボットでもできるような定型的な作業のエキスパートを目指してはいけないということです。

企業は、人にロボットに勝る生産性を求めているわけではないのです。

企業内では、人にしかできないことでやるべきことがまだたくさん残されていますので、RPAやAIと競争することなどを考える必要はまったくないといえます。

ただしRPAにルーチンワークを任せた場合、それまでその領域でエキスパートとして評価されてきた人たちは違う働きで評価を受ける必要があることは事実です。

単に不安を感じることよりも早くそのことに気がついて、いち早く人間が企業の中で本来発揮すべき価値を考え直すことが重要になってきているのです。

■企業内で発揮すべきスキルセットの変化に対応できる必要

まずデジタルレイバー時代に企業で必要とされる人材は、これまでと大きく変わることを理解する必要があります。

RPA普及時代には、ホワイトカラーの仕事の種類が大きく変化していくことが容易に予想されています。

これは、特定業界のみならず、多くの業界・企業で広範に同様のことが起きることになります。

まずは、RPAと競合する存在ではなく、RPAを使いこなす存在になることが求められます。

ただそれだけでは、やはり不十分といわざるを得ません。

ルーチンワークから抜け出したビジネスマンは、社内でこれまでにないような新たな存在へと自ら変化できる人材にならなくてはならないのです。

■企業にも顧客にも新たな価値を提供できる存在

RPA投入時代には、企業が必要とする人材の姿も大きく変化することになります。

特に企業内で新たに求められる必要人材というものは、変化することになります。

たとえばビジネス領域では、有能なオペレーターは、ほとんどRPAが代替することになるため必要なくなるかもしれません。

しかし、ビジネス全体を見通して新たなビジネスを生み出し、効率化を考えるようなストラテジスト的な存在は、今後ますます必要になってくるでしょう。

RPAやAIの技術を十分に踏まえて、業務範囲の広い世界でビジネスの意思決定のできるような存在が求められることになります。

またRPAやAIのテクノロジーをツールとして使いこなせる「テクノロジスト」といった職種も必要です。

新規の技術を十分に理解して、どのように使いこなすことが効率を高めるのかの価値を社内に提供するような役割の人材です。

RPAなどのツールを使いながら業務プロセスをいかに構築し、管理や監視するかの業務デザイン担当といった職種もこれまでにはないものになります。

あくまで業務を適正にデザインし、実際のオペレーションはRPAやAIに任せるといった大胆な業務のスペシャリストです。

さらにコミュニケーションのスペシャリストというものも必要になるでしょう。

特に対顧客コミュニケーションに関しては、RPAやAIの導入では解決しない問題が多々あります。

適切に顧客とのコミュニケーションが成立しているかどうかを見極め、問題があれば常にその都度修正をかけていくというスペシャリストです。

これも、既存のビジネスでは見つけることのできない新領域の業務となります。

また、ロングテールのエキスパートという存在も予測されます。

定型作業は、確かにRPAに任せればそれで済む部分が増えることは事実です。

しかしAIを実装しても、自動化ができない残された部分を専門的に追いかけ続けるエキスパートが必要になってくるでしょう。

■新たな職種を発見することが働き方改革につながる

このように新たに社内に付加価値を提供する業務プレーヤーは、これまでにはまったく存在しなかったような役割を果たす人が多くなります。

もちろん企業によってニーズは変化しますから、ここに取り上げた業務はあくまで一事例に過ぎません。

しかし、ルーチンワークから開放されたホワイトカラー職は、いち早くこうした変化を感じ取ってそちらにシフトしてく努力が必要です。

RPAの導入で、これまでのようなオペレーションに忙殺されて残業問題に巻き込まれる人は、激減することになります。

その代わりに、新たな価値を創造する仕事を見つけ、そこで能力を発揮することが求められることになります。

まさにそれが、本質的な働き方改革と言えるでしょう。

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