AIを搭載したRPAに期待できる未来とは

AI(人工知能)を搭載したRPA(ロボットによる業務自動化)は、未だ発展途上の段階にあると言えるでしょう。

実例はいくつか存在するものの、それによるパフォーマンスの向上や長期スパンで見たメリットなどは、まだ未知数と言えます。

また、注目はされていますが、学習と推論というプロセスが必要なため、その効果は計り知れません。

そこで今回は、RPAとAIの持つ性質から鑑みる将来性について、実例をもとに考察していきます。

■AI搭載のRPAの成長

AI(人工知能)を搭載することによって、RPAは初期で与えられたマニュアルの範疇を超える意思決定を下していくことになります。

例えばAI搭載のRPAが、コールセンターや問い合わせメールの対応を行ったとしましょう。

クレームに対する謝罪や、不明点に対する解決方法の指示など、無数の指示系統のマニュアルが存在し、RPAはそれに従っていきます。

その中で、クレーム対応の場合は謝罪が必要ですが、「不明点への解決方法の場合はその有無を問わない」というマニュアルが初期の指示だとします。

対応プロセスで、「不明点に対する問い合わせの際、分かりづらさへの謝罪を入れる場合と入れない場合の比較をすると、入れた方が入れない時よりも通話時間が平均2分間削減される」という結果をAIが学習したとしましょう。

その場合、AI搭載のRPAは「不明点を解決する場合も謝罪を含む」という自己学習の元、その対応を優先する意思決定を行うわけです。

こういった意思決定の幅は、RPAが搭載したAIがデータを学習すればするほど事細かに変化していきます。

無数のユーザーの行動パターンや言動の記録と、多視点からの統計を繰り返すことで、理想とする「万人に対応するマニュアル」が成長し続けるのです。

忘れてはならない事実として、人間はこの過程を自らの思考によって行ってきました。

業務内容が対人でなくとも、繰り返す失敗と成功の経験から、人は学習し、最適解を得ていきます。

AIを搭載したRPAが人知を超えた所業をなしているわけではなく、あくまで我々が行なっていたことをより効率的、かつ合理的に遂行することができるだけなのです。

■AI搭載のRPAができないことは何か

AI搭載のRPAの将来性について考察する時、「何ができないのか」を考えておくことも重要となります。

現時点でRPAがなし得ないことは、「イノベーション」です。

AI搭載のRPAは、既存のマニュアルをもとにした自己学習を繰り返します。

言い方を変えると、学習と推論の素材は過去のRPA自身の行動と、それに付随するデータです。

ここから新たな活用方法やサービス、全く違った切り口の改善方法を生み出すことは、極めて難しいと言わざるを得ません。

AI搭載のRPAがイノベーションに向かないことを前提とするならば、長期的な活用を視野に入れた土台を、システムを導入する初動で盤石に作り上げられるかが重要なポイントとなります。

さらに、時代の変化とともにイノベーションが必要となるとき、いち早く察知する人間が必要です。

もう1つ、「AI搭載のRPAができないこと」として考えられるのは「停滞」です。

AIは、目標に対しての最善策を常に模索します。

RPAは答えを業務としてトラブルなく遂行し続けるため、人間のように「疲労」や「辞める」などの意識・決断は存在しません。

ゆえにAI搭載のRPAは、人間が「停滞せよ」という意思を示さない限りは成長し続け、止まらないでしょう。

この特徴は、第四次産業革命の産声を待つ現状では、素晴らしい点として評価されています。

無論、我々の労働環境を改善するための大きな特徴として、否定するものではないでしょう。

しかし、AI搭載のRPAが一般化し、他分野で活用されるようになるとき、必要性のない稼働や、過度な成長が生じる可能性があります。

そのタイミングすらも学び、自らの意思決定によって「停止」や「停滞」を選べるAIの登場もないとは言い切れませんが、そこには必要性を軸としたパラドクスが生じます。

■AI搭載のRPAと我々の将来的な関係性

AI搭載のRPAは、以上のような考察を総じて、我々の日常生活に必要不可欠なものになると同時に、「人間不在の場所での活用は難しい技術である」と言うことができます。

我々は、AI搭載のRPAができることとできないことを監視しながら、マネージメントしていく能力が今後必要になるでしょう。

いつの時代にも言えることですが、技術が最大限に発揮される時、クレバーな人間の存在がそこにあります。

AIやRPA、IoTなどの技術は、時間をかけながら一般化されるでしょう。

何故なら、労働環境から日常生活まで様々なシーンでそれらの技術は応用可能で、最も合理的かつ効率的な答えを私たちに与えてくれるからです。

無意識かもしれませんが、私たちはAIが導き出す答えに従っていることがありますし、IoTが浸透したサービスのもとで生活し、RPAが支える対応にも助けられています。

ユーザー視点では意識していないものも、自らがシステムの一部としてそれらを迎え入れる時は、意識せざるを得なくなります。

我々がAI搭載のRPAと築きうる関係性は、情報に踊る名称だけを知るにとどまらず、自らの生活にどのように対応するのかを考えることで変化します。

AI搭載のRPAという寵児を、一部の人間によって搾取されるものではなく、誰しもが利用しうる技術にしていく意識を持って臨みましょう。

関連記事

  1. 増加するAIサービスとRPAでの活用

  2. RPAが活きるAIの働きは「意思決定」の業務

  3. 日本でのAIスピーカー・音声インターフェイスの将来性

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。