RPAがアウトソーシングと競合する可能性がある背景

RPAは、人の手を介さずに業務を代行する、いわゆるデジタルレイバーとなるわけで、足もとで問題化している残業を減らすことにもつながります。

これにより、企業全体としての働き方改革に大きく寄与する存在にもなり得るのです。

さらに、これまでアウトソーシングによって、労働力不足やコスト効率を上げようとしてきた企業の選択に大きな変化を与える可能性も見込まれます。

このようなことからRPAは、アウトソーシングとその内容やコスト面で競合するリスクが急激に高まっているといえます。

今回は、RPAがアウトソーシングと競合する可能性がある背景について詳しく見ていきましょう。

■ソーシングモデルの一大変化が発生

RPAは、企業におけるホワイトカラーの定型作業といわれるものを全て代行することが可能になります。

これまでは、こうした定型作業の効率を上げるためには、自社で行うのではなく、コストの安いアウトソーシングを利用するケースが多かったわけです。

しかしRPAは、初期コストを含めてもアウトソーシングよりもコストダウンが実行されることになってきていることから、既存のソーシングモデルに大きな影響を与えることが考えられます。

RPAの導入により、バックオフィス業務のコストが大きく下がり、品質は向上することになります。

これにより企業内で業務を外部委託するのか内製化するかの判断は、大きく変わることになります。

当然、その影響を大きく受けるのは、アウトソーシング先の事業者ということになるわけです。

■アウトソーシング業界へのインパクトは必至か?

これまで、コスト面だけの優位性から事業展開を行ってきたアウトソーシング事業者は、厳しい局面に立たされることが想像されます。

日本の場合には、言語の問題から海外へのオフショアを利用する企業は限られてきました。

さらにアウトソーシング事業者にとって、それほどうまみのなかったオフショアが、RPAの導入に取って代わる可能性もあります。

アウトソーシング業界で働く人々のスキルセットも大きく変化することが予想されます。

必要となるスキルは、業務オペレーションを実行するスキルから、ロボットの適用性の検討や業務のモニタリング、データ分析、業務改善などより高度なスキルと提供することが求められることになりそうです。

アウトソーシング事業者はここ数年のうちに、自らの市場における差別化ポイントについて、厳しく再定義をせまられることになりそうです。

■地理的な低賃金モデル利用は、急激に衰退

特にアウトソーシングの業界は、中国やインドを利用したオフショアのアウトソーシングで、地理的に低賃金で雇用ができる人材を使ったサービス提供を行ってきました。

人に支払う賃金よりもRPAの運用コストのほうが安くなりはじめており、もはやこの地理的な賃金裁定モデルというものは、立ち行かなくなる可能性が高くなってきています。

中国やインドは、経済成長の進展でそもそも賃金が上昇傾向にあることから、安い労働力を利用することで成立してきたアウトソーシングがダメージを受けることが予想されはじめています。

■アウトソーシング事業者がRPAテクノロジー事業者を買収する可能性

比較的規模の大きくなったアウトソーシング事業者が、資金力をバックに今後はRPAテクノロジーの事業者を買収し始めることが予測されます。

自らのアウトソーシングサービスにRPAのテクノロジーを導入することで、コストダウンをはかるといった可能性さえ考えられ始めています。

アウトソーシング事業者は、伝統的なサービスを諦め、RPAを利用したサービスで顧客を獲得しようとすることが容易に予想される状況となってきているのです。

それぐらいアウトソーシング事業者にとって、RPAビジネスの環境下では、生き残りが難しくなることが予想され始めています。

■RPAテクノロジー企業のアウトソーシング業界進出

また逆に、RPAテクノロジー企業が自社のテクノロジーを最大限に活かしてアウトソーシング業界に進出し包括的なサービスを提供するようになる可能性も考えられます。

RPAは初期段階ですから、現在は定型作業を代行するに過ぎません。

しかし、今後はAIと連携するかたちになれば、RPAがこなす代行業務の幅とレベルの高度化が見込まれます。

従って、大規模な業務プロセスでRPAを使ったアウトソーシングサービスを提供する事業者が現れても不思議ではない状況といえます。

この先RPAビジネスとアウトソーシングは、競争環境で業界自体を再編しかねないところに陥る可能性があります。

■人的アウトソーシングは、RPAと競争できない

このようにRPAの広範な導入は、これまで人件費の安い労働力を利用して安価なコストで判断のともなわない定型作業を提供してきたアウトソーシング業界にとって、その根幹を揺さぶられるほど大きな競合要因になりつつあります。

RPAの行う業務は、人が行ってきた業務の100%から場合によっては200%を超える生産性のアップが図られ、時間的にも人がこれまで費やしていた時間の65%から75%を削減できることになります。

従って、労働コストが安い人材が代行する業務スキームでは、到底RPAに太刀打ちできないのが現実です。

アウトソーシングの業界が生き残るためには、RPAとは異なる部分に付加価値を提供していくことが必要になってきているのかもしれません。

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