これまでの業務システムとRPAは基本的なスタンスが大きく異なる

ホワイトカラーに直接影響がある業務自動化のことをRPAと呼んでいます。

このRPAの市場規模は世界的に急激に拡大しつつあり、先進国を中心としてその導入が始まっています。

特に米国では先行企業の導入がかなり進みつつあり、市場規模は2020年で日本円にして5000億円を超えるものになると予想されているのです。

これまでITを利用した業務システム開発には多くの企業が大量の資金と時間を投入してその開発を行ってきましたが、RPAはこれまでの業務システムとは基本的なスタンスが大きく異なる部分があります。

特に人を解さない自動化に関しては、業務システム開発とはまったく異なるアプローチを実現することになります。

今回はその点にフォーカスして説明していきます。

■業務システム開発には大きな時間とコストがかかっていた

これまで人が行う事務作業について自動化の仕組みを業務システムとしてプログラミングして作成する場合、異なるアプリケーションを連係して作業をするような場合にはそれを統合して作成するというのは至難の業でした。

すでに存在するアプリケーションのAPIを提供企業から公開してもらうか、まったく新しいものを最初から作成するしかなく、事実上極めて困難だったということです。

したがって多くの事務職は複数のアプリケーションを開きながら人力で双方のしくみをつなぎ合わせるような業務を行ってきたわけです。

すでに業務プロセスの中でどこが非効率なのかがはっきりしていてもそれを新たなITシステム開発で改善することはきわめて難しい状況にあったということがいえます。

■RPAは認知技術を利用して人の行うプロセスをそのまま自動化

一方RPAは、人がITシステム上利用している様々なアプリケーションについて、変更は一切開発などで手を加えることはせず、実際に人が行うPC上での操作の手順に着目して、それをソフトウエアロボットが人と同じように自動で行う点が大きなスタンスの違いとなっています。

そのため、利用する業務システムをわざわざ自動化のために統合する必要もありませんし、最初から作り直すといった莫大なコストと時間のかかる作業もしないで実現させるところが、これまでとは全く異なった方法ということなのです。

たとえば人がウェブページに表示された画面上の特定の数字や文字を転記したり、ほかのアプリケーションにそれを入力したりするといった専ら人力の作業も、あらかじめその流れを正確にプログラムにプロットすれば完全に人の代わりにすべての定型業務を行ってくれるのです。

また、あらかじめワークフローがきまっている事務的な作業についてもこのRPAが自動で実施してくれるようになるのです。

つまりこれまで盛んに行われてきた業務システムの開発と比べるとかなり簡便なのです。

■RPAが実現する驚くべき生産性

RPAはバックオフィスの広範な業務をとって代わることができるようになっています。

たとえば経理や財務の領域では人が入力してきた請求書処理や経費生産、給与関連の業務、福利厚生関係の書類作成などはお手のものとなります。

特にその効果は目を見張るものがあり、事務ミスが激減することから作業の品質は人が行っていたときよりも格段に高いものとなります。

また業務のスピードは内容によっても異なるものの、一般的には人が行っていたスピードの150倍から200倍近い速さでの処理を実現できるようになっています。

これにより労働効率はきわめて高くなり、既存のコストを40%から場合によっては75%程度まで圧縮することが可能になるのです。

これはこれまでのホワイトカラーの生産性向上策の中でも群を抜くものといえ、企業の事業効率化の視点でも導入が急がれるソリューションといえる状況です。

■AIと連動するようになればさらに飛躍的な生産性を実現可能

RPAは現状でもERPなどの基幹システム、製造システム、分析ツール、エクセル、インターネット、ファックスデータ、在庫管理システム、メインフレーム、メールサーバーなど社内に存在するシステムで人が操作できるものは簡単に操作することができるようになっています。

これだけでも定型業務のかなりの部分をカバーすることが可能ですが、この先AIとの連動が実現すれば、あらかじめ決められた業務以外にも一定の判断をともなうものをディープラーニングが人の代わりに判断して処理をすることも可能になろうとしているのです。

したがって、AIと連携したRPAは今後かなり便利な道具として企業のさまざまな部門、部署で人の代わりに働いてくれる存在となることは間違いない状況です。

RPAの導入は、今各企業で大きな問題となっている残業の解消にも直接的に役立つソリューションとなりますし、企業内の人材の配置を大きく見直し、さらに付加価値の高い業務へと戦略的に従業員を振り向けることが可能となることから、全社的な働き方改革の大きな第一歩としても機能することが期待されます。

関連記事

  1. RPAの得意分野「定型作業の処理」の自動化で改善できること

  2. 人間よりも期待できるRPAの作業の正確性

  3. 世界で注目されているビッグデータ・RPAの活用

  4. 業務効率化にRPAが向いている3つの理由

  5. 総務、人事、経理などの間接部門の生産性を向上させるRPAの活用方法

  6. RPAの得意分野「メール送信や電話対応」の自動化で改善できること

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

オススメの記事